「くくっ……絶頂……イってしまいそうなのだなノエルよ。見ていればわかる」
「し、詩織、気持ち良くなんかないもん!」
「強情だなノエル」
「いっちゃいそうなんかじゃ、ないっ……もん!」
だめえ……いっちゃいたい……清司おにいちゃあんって、お兄ちゃんのこと考えて、溶けちゃいたいよう!
でも詩織がまんする。お兄ちゃんと2人で、ここから逃げる……おうちに帰る……よ!
「くくくっ……さすがは天上界が祝福せし聖母。そして我らが闇の聖母……か。その克己心、見上げたものよ」
「ふわぁああっ……やああっ……ひんっ!」
もぞもぞと肌をうごめく触手と粘液のぬめりとで、ノエルは完全に能動的な行為を封じられ受け身で快楽を味わわされていた。
「ノエル、感服した。私からの提案だ。この勝負自体は、結果がどうあれ、おまえにとって悪いようにはしない」
「ほ、ほんと……に?」
「その代わりノエルには、絶頂するのに合わせ、はっきりとそのことを叫んでもらいたい。我々魔族の歓待を、闇の聖母が受け取った証としてな」
「いっちゃう、でも、いく、でも、なんでも、かまわない。清司お兄ちゃんと付くのは仕方がないとしても」
「い、言うよ。言うね。詩織、もう、がまんできないの、イっちゃいそう、なのっ!」
「ノエル、もう耐えることはない。心と身体が感じるままに快楽の法悦境へと至るがいい」
「ふわぁあっ……ひゃああっ……あふうっ……あっ!」
ノエルの身体が小刻みな震えを見せていた。立ち上る淫臭にも触手の粘液だけでなく、ノエル自身の体内から分泌された淫蜜の成分も混じっている。
「お兄ちゃん……清司お兄ちゃんっ……詩織だめえ!」
「いっ、いっちゃうっ……いくっ……!」
「せーじおにいちゃあああんんっ……いくうっ、いくいくううっ! 詩織いっちゃうっ!」
前夜同様、触手によって翻弄されたノエルは、アザゼルの言葉に誘われるまま自身の絶頂を叫びながら上り詰めていった。
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